本当に良い木材って? 木材は「乾燥方法」によって性質が変わる!
長年住宅建築に携わってきましたが、この度のウッドショックをきかっけに、山から樹木を切り、独自で住宅用建築木材を作る新たな取り組みにチャレンジしているダイゼンです。
そんな中、衝撃を受けた事実を、みなさんにもお伝えできればと思います。
こちらをご覧ください。
(写真:日経ホームビルダー)
木材の内部に亀裂が発生しているのがわかりますか?
実は、この亀裂が生じている木材は日本で最も多く流通しているKD材と言われる高温乾燥材です。表面は綺麗でも断面を見ると、亀裂があったり空洞状態になっている場合があるんです…驚きですよね!!!
住宅建築に使う木材を製造するには「乾燥」という工程は必須です。
乾燥をさせることによって、歪みや反りを生じにくくさせたり、変色や腐食を防ぎ、木材自体の強度を高めるために乾燥させているのですが…このように柱の芯の部分まで亀裂が入ってしまうと、逆に強度が下がってしまいます。
なぜ、こんなことが起きるのか? それは、木の乾燥方法によるものです。
木材は乾燥方法によって、特性が変わる!
伐採した「木」を建築資材として利用できるようにするには、反りや割れを防ぐために、まず乾燥をさせるという工程があります。乾燥方法の種類には、①天然乾燥 ②人工乾燥と大きく分けて2つ方法があり、人工乾燥にも高温タイプと低温タイプなどがあります。
天然乾燥(AD材・エアドライ材)
天然乾燥は、文字通り自然に乾かす方法です。
山から伐採した木を製材し、まずは野外で半年以上時間をかけて自然に乾燥させ、さらに屋内でゆっくりと時間をかけて乾燥させる方法です。天然乾燥の場合は、伐採してから出荷できるまで早くても1年~2年以上と、とても時間がかかり、その分コストもかかります。
人工乾燥 (KD材・キルンドライウッド)
◆高温タイプ
専用の設備を利用して、強制的に乾燥させる方法です。
100~150℃で機械によって、最短で3日~1週間程度で強制的に高温乾燥させます。
伐採してから短期間で商品として出荷できるので、現在使われている木材の多くがこの高温タイプの人工乾燥です。
しかし、高温で急激に乾燥させられることで木の細胞が破壊され「内部割れ」を起こす可能性が高く、内部割れが生じると強度が下がり、香りも飛んでしまいます。
人工乾燥 (KD材・キルンドライウッド)
◆低温タイプ
40℃前後の低温の乾燥設備で、10日ほどかけけて乾燥させる方法です。
高温タイプより時間がかかるため、コストは高くなりますが、低温でゆっくり乾燥させるため、木の細胞が壊れず、木の本来の特性耐久性や香りがそのまま残るのが特徴です。
選んで使う、低温乾燥の木材
ダイゼンでは「低温乾燥」の木材を製造しています。
地産地消プロジェクトとして海部町の山で伐採をした木は、香川県にある専門会社に、木材乾燥の加工お願いしています。
「山から木を切り、家を建てる」 地産地消プロジェクト始動
低温乾燥タイプは、機械乾燥であることに変わりはありませんが、木の本来の特性(脂分や酵素)を保ちながら乾燥ができ、木材の香りもキープされます。
木の良さを活かし、内部割れを防ぐという点からも、機械乾燥をするとしても「低温乾燥」を選んでいます。
普通に流通しているKD材ですが、見た目は綺麗でも内部割れしているかもしれません。
切ってみないと、状態がわからない…。
イチかバチか、そんなリスクは背負いたくないですし、本当に良い木材、強度も質も間違いのないちゃんとした木材を使って家を建てているという、安心感が違います。
自社で専門の木材加工工場を計画中!
そのため、ダイゼンでは自社で乾燥までできるように、新たに木材工場を作ることにしました!
徳島県南部の山から木を切り出し、加工し、乾燥する。
そして、出来上がった木材で、家を建てる!
徳島の生れの地産地消の家づくりができる日が楽しみです。
ここ数年、ウッドショックによって材木の入手が困難になったり、物価が上がったりと、建築業界でも大打撃を受けましたが「ピンチはチャンス!」新たな発見と試みに取り組んでいます。
乾燥木材について、興味深く書かれていますのでぜひこちらもご覧ください。
日経クロステック【ムク材の割れをどう考えるか?】
日経クロステック【内部割れした乾燥木材が流通】
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